世界最古の絨毯
オリエントの国々に伝え継がれてきた、手結びのパイル織り絨毯の歴史は三千年とも四千年とも言われています。南シベリア、アルタイ山地のパジリク古墳で発見された絨毯が、現存する最古の絨毯で、紀元前500年頃の絨毯、その模様がペルシャ最初の統一王朝アケメネス朝の模様と似ている為、源流はペルシャであると考えられています。
ペルシャ絨毯の隆盛期
ペルシャ絨毯が保温のための生活必需品から芸術品にまで高められたのが、16〜17世紀のサファヴィー朝時代、とりわけアッヴァース大帝が芸術を保護育成し宮廷御用達の絨毯製織所を各地に設けたので、宮廷やモスクを飾る絨毯や祈祷用の絨毯が次々と生まれました。そして日本にもシルクロードを通って伝来し、京都の祇園祭の山鉾を今も色鮮やかに飾っています。
21世紀に残された文化遺産
天然の植物染料を使っているので、手入れをすれば不死鳥のように色がよみがえる美術品、結び目の数が主にその価値を決定し、1 平方メートルに30万から400万もの結び目が織り込まれています。この緻密な作業は指先の繊細な女性が主力となっており、1 枚織り上げるのに1年、名品にもなると10年以上費やすといわれています。あたかも織姫たちが自分自身の人生を織り込んでいるかの様です。
資産的価値
ペルシャ絨毯は、古くなれば色調が深い味わいを持つようになり、永く美しさを保ち続けます。また、 金や宝石と並び「世界の三大財産」とも言われています。100年以上経た物はアンティーク、50年以上の物はオールドと呼ばれ、欧米では高い骨董的な資産価値が認められています。 「サザビーズ」 や「クリスティーズ」などのオークションでは、上質の絨毯の場合、新品の時の数倍の値段で取引されています。